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パレート分析って何?法則と使えるシチュエーションについてご紹介

パレート分析って何?法則と使えるシチュエーションについてご紹介

こんにちは!楽テルコラム担当です。

コールセンターのスーパーバイザー(管理者)の業務では、オペレーターやサポートデスクといった社内スタッフの人事や育成のほか、電話応対サービスの品質管理も欠かせません。業種によっては、提供している商品やサービスの専門知識なども必要となります。このような膨大な仕事量に対応するためには、業務効率化は必須と言えます。なかでも「有効な分析手法を身につける」ことはコールセンター業務の効率化に効果的です。そこで今回は、分析手法のひとつである「パレート分析」についてご紹介します。パレート分析を理解し、コールセンターが抱える課題の優先順位を明らかしましょう。

コールセンターの業務効率と対応品質の両方を上げるには

電話対応業務における大きな課題である「オペレーターの対応時間」や「オペレーターの対応品質のバラつき」。
これらの課題解決に有効なのが、クラウド型CRM・CTIシステムです。

着信時ポップアップやIVR(自動音声応答)、自動文字起こしなどの機能を活用することで、コールセンター業務の質と両方を、大きく改善できます。

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目次

    パレート分析とは

    パレート分析は、コールセンター業界にとどまらず、ビジネスシーン全般において広く使われている分析手法です。「80:20の法則」、「2:8の法則」と呼ばれることもあります。

    これは1897年にイタリアのパレートという人物が発見した「パレートの法則」がもとになっています。パレートは当時、所得と資産の分布について分析しました。その結果、20%の人が80%の所得、資産を占めているという分析結果を明らかにしました。「全体のわずか2割の要素によって全体の8割が構成されている」というこの法則は、さまざまな分野にも応用できるため、ビジネスシーンでも重宝されているのです。
    コールセンターの場合、現場を管理するスーパーバイザーが「ある要素が全体のどのくらいを占めているのか」をパレートの法則をもとに分析して、運営に生かしています。それが「パレート分析」です。

    パレート分析は、簡単にグラフ化して分析することができます。構成要素を数値の大きい順から並べた棒グラフに、構成要素の累積比率を表した折れ線グラフを組み合わせることで、パレート分析のためのパレート図が完成します。

    パレート分析の例

    下記のようなものがパレートの法則の例として挙げられます。これらの法則をもとに分析し、コールセンターの効率的な運営のための参考にすることができます。

    ・売上の8割は、社員全体のうち2割の社員の働きによるものである
    ・売上の8割は、顧客全体のうち2割の優良顧客(ロイヤルカスタマー )によるものである
    ・売上の8割は、すべての商品ラインナップのうち2割の商品によるものである
    ・クレームの8割は、すべての商品・サービスのうちの2割が原因となっている
    ・問い合わせの8割は、すべての問い合わせのうちの2割に対する質問になっている

    パレート分析が使えるシチュエーション

    コールセンターのスーパーバイザーは、具体的にどのようなシチュエーションでパレート分析を使えばいいのでしょうか?ここでは「クレーム対応」や「コールリーズン」を例としてご紹介します。

    関連記事はこちら【比較】コールセンターのCRMシステムはオンプレミス型とクラウド型どちらがおすすめ?

    クレーム対応

    たとえば、クレームの件数が増えてきているという実態をスーパーバイザーが把握しているとします。一件一件の細かな理由までは把握できていない場合、全体として何を改善するべきなのかが明確になりません。「オペレーターの電話応対が問題なのか」「提供している商品に不備があるのか」など、クレームの内容によって改善方法はまったく異なります。
    このようなときにパレート分析は有効です。クレーム全体のうちどういったタイプのクレームが多いのかをグラフとして一目で把握することができます。その結果、課題の優先順位が明確になります。ただし、クレームを請け負ったオペレーターが「どのタイプのクレームなのか」を的確に振り分ける必要があります。そこでスーパーバイザーは、コールセンターで共通の運用ルールを作ったり、システムを強化したりする必要があります。

    パレート分析は「課題発見」以外でも役に立つことがあります。たとえば、グラフ化された分析結果を上長に提示することで、説得力が増すでしょう。正しく分析され可視化されたデータは大きな武器となります。

    コールリーズン

    クレームに限らず、「すべての顧客がコールセンターに電話をする理由(コールリーズン)」についてもパレート分析を活用して業務改善につなげることができます。

    コールリーズンの件数を分類して多い順から棒グラフ化し、コール全体に対する累積比率を割り出します。すると多くの場合、おおよそ上位2割のコールリーズンが全体の約8割を占めるというパレート分析の法則に当てはまります。

    つまり多くのコールリーズンのうち、この上位2割の項目への対応にコールセンターの多くの業務が当てられているということがわかります。

    このようにコールリーズンのパレート分析は、業務改善の優先順位を「見える化」する重要な指標となります。上位2割への対策を優先的に行えば、コールセンター全体の応対品質を効率よく高めていくことができます。

    IVRシステムの最適化

    コールセンターの業務効率化に役立つ「IVRシステム」においても、パレートの法則を活用すればさらなる能力アップをはかることが可能です。

    IVRシステムとは「オペレーターとの会話の前に顧客が自動音声ガイダンスに応じて問い合わせ内容のカテゴリを選択することで、該当する担当窓口と直接つながる」というシステムです。オペレーターが会話の中から要望を聞き出して、それに合った担当者に転送するという時間や手間を大幅に節約できるメリットがあります。

    先ほどのコールリーズンの累積比率をもとに、IVRの自動音声ガイダンスの最適化を行うことができます。たとえばよくあるコールリーズンの担当窓口を増やしたり、数の少ないコールリーズンは音声ガイダンスの選択項目から外したりなどをして、スムーズなコールの振り分けをすることが可能です。

    トークスクリプトの改善

    パレート分析により問い合わせ数が多いとわかったコールリーズンの中から、特に顧客から高評価を得ているオペレーターの顧客応対を分析し、トークスクリプトにして共有します。優秀なオペレーターの顧客から応対の技術を共有すれば、コールセンター全体の応対品質の向上もはかることができます。

    <トークスクリプトによる応対品質向上を実現した例>

    受電と同時に着信画面が立ち上がる着信ポップアップを使用して、自動で立ち上がった画面に初回対応のトークスクリプトを表示するようにしました。オペレーターはトークスクリプトを読み上げるだけで初回の対応が済むようになり、初回対応のミスでお客様に不信感を与えてしまうといったことがなくなりました!

    ⇒事例の詳細を見る

    FAQの改善

    パレート分析によると、上位2割に入っているコールリーズンは全体の8割を占めることになります。つまり、「オペレーター業務の8割は同じような質問を受けて決まった回答をしている」と想定することができます。この内容を「よくある質問(FAQ)」としてホームページなどで公開すれば、コールセンターへの問い合わせ件数そのものを大幅に抑制できます。

    ロイヤルカスタマーの顧客満足度向上に注力

    売上の8割に貢献しているロイヤルカスタマーに対するコミュニケーションを強化することで、顧客満足度の向上を狙います。たとえば、ロイヤルカスタマーからの入電を優先的に顧客応対スキルの高いオペレーターに回すという方法があります。ロイヤルカスタマーともなると、問い合わせの内容や要望は専門性の高いものになると考えられるので、新人などでは対応できない可能性があるからです。このようなロイヤルカスタマーに高品質な応対を行い、顧客満足度を高めていきます。

    コールセンター業務をもっと効率化

    コールセンターのスーパーバイザーが業務を効率化するためにはさまざまな分析が必須です。なかでも課題の優先順位を明確にできるパレート分析は、有効だと言えます。分析結果から問題点を発見して改善を進める中で、顧客管理システム(CRM、Customer Relationship Management)の導入はとても効果的な手段と言えます。

    関連記事はこちらコールセンターはCTIとCRMをセットで導入することで業務効率化できる!

    コールセンターにおいておすすめのCRMとしては、コールセンターとヘルプデスク向けに特化したクラウドCRMシステム「楽テル」があります。楽テルであれば、クレーム対応の質を高め、同時にデータの蓄積を行うことで、顧客満足度の向上を実現できるでしょう。
    分析業務においては、状況に応じて正しい指標や項目を持ち、オペレーターにもれなく、かつ業務負担にならないように入力させることが必要です。楽テルでは、オペレーターが入力する画面やコールの集計・分析の設定がノンプログラミングで簡単に設定できるため、オペレーターが正しく入力できる画面や欲しい数値を少ない負担で取得する環境作りに役立ちます。また、顧客の対応履歴や内容ごとの件数を集計して、対応すべき課題に優先順位をつける際にも有効です。コールセンターの業務効率化のひとつの手段としてご検討されてみてはいかかでしょうか?
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    記事執筆者情報

    楽テルコラム編集部

    リスティング広告やFacebook広告の運用、プロダクトサイトのSEOなど、広くWEB施策に携わっています。前職では、世界トップクラスのシェアを誇るCRMシステムの導入支援を通して、様々な企業の業務改善に尽力していました。
    楽テルのコラムではコールセンターやインサイドセールスにおける業務効率化・顧客満足度向上などの例をご紹介していきます!
    好きな料理は「スパイスカレー」です。