2019/10/11
VOCって何?測定・分析方法の種類や具体的な進め方・活用事例をご紹介

こんにちは!楽テルコラム担当です。
「VOC」という言葉を聞いたことがありますか?主にコールセンターやマーケティング関連で使用される言葉ですが、実は皆さんの生活にも大きく関係しています!今回は「VOC」についての基本事項について解説し、さらに理解を深めていただけるような活用事例もご紹介します。
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目次
VOCとは
VOC(voice of VOC(voice of customer)とは「お客さまの声」のことです。「お客さま」というのは、いわゆる「お客さま」というような商品や製品の購入者だけでなく、サービスのユーザーや会員などもふくめた消費者・利用者全般を指します。そのような「お客さま」の「本音の声」のことをVOCと呼びます。なお、VOCを収集・分析して企業活動に活かすことを「VOC分析」と呼ぶこともあります。
現代の企業はVOCの収集・分析に力を入れています。なぜなら商品やサービスの品質だけで競合他社との差別化を図ることが難しいからです。そのような横並びの状況から一歩前へ出るためには、「お客さまが本当に欲しい商品」「かゆい所に手が届いているサービス」、このような商品やサービスを世に出さなければなりません。
とはいえ、従来はVOCを活用するのが困難でした。なぜならお客さまの本音の声をすくい上げるツールや環境が整っていなかったからです。また、仮にお客さまの本音の声を収集できたとしても、適切に分析したり管理したりできるツールが未発達だったといえます。
しかし昨今、VOCを収集・分析するためのツールや環境は整いつつあります。次に、VOCの測定方法についてご紹介します。
VOC測定方法の種類
VOCを測定するにあたり有力な方法となるのは主に次の3つです。欲しい情報に合わせてプラットフォームの特性を活かしましょう。
コールセンター
コールセンターはお客さまの声を直接聞ける場所です。そのためVOCの収集・分析に最もすぐれた環境だといえるでしょう。
お客さまにとって「電話」というツールの利点は、直接顔を合わせる時とは異なり、本音を話しやすいことだと考えられます。またコールセンターの大きな役割として「相談窓口」や「カスタマーサポート」があります。もとより困りごとを抱えたお客さまから電話がかかってくるため、お客さまが本音を話せる環境がコールセンターには整っているのです。
とはいえ従来のコールセンターは、お客さまと電話でのやり取りはできてもVOC分析として活用するには不十分でした。その理由は二つあります。一つは、自動録音機能や集計機能などの個別機能が不十分だったためです。そしてもう一つは、システム環境がぜい弱だったため他部門と情報を共有することが難しかったからです。
しかし昨今では、多くの機能を備えたコールセンターシステムを簡単に利用できるようになったため、VOCの収集・分析は誰でもできるようになっています。
SNS
SNSは特定の個人に向けて情報を発信するわけではないため本音を吐露しやすい空間です。さらに匿名で利用できるSNSも多いため、よりいっそう本音を言いやすくなります。
また基本的には無料で誰でも見ることができるため、最近の企業はSNSをVOC分析として活用しています。使い方は簡単で、検索したい言葉を入力すれば、すべてのユーザーの中からその言葉をつぶやいたユーザーや時期を特定することが可能です。このSNSのメリットをAIなどのシステムと組み合わせれば、膨大な数のVOCを瞬時に収集・分析することができるでしょう。
とはいえSNSには偽アカウントが偽情報を発信しているというケースもあるため、VOC分析の際には対策が必要でしょう。
アンケート
従来のような手書きでのアンケートも健在ですが、昨今ではほかにもさまざまなアンケートの形式でVOCを収集・分析できます。
たとえば、ネットショッピングで買った商品が届いた数日後に、「満足いただけましたか?」という旨のメールが届くことがあります。この方法はタイミングがキモで、商品を使い始めたお客さまの「満足」「不満足」という評価が定まった頃に簡易的なアンケートを送ることで回答率は上がりやすいのです。
もう一つの例として、コールセンターでは自動音声案内機能を活用してアンケートを取ることも可能です。簡単なボタン操作だけで済むため、お客さまの手をわずらわせることなくVOCを収集することができるのです。
VOCの活用事例
収集・分析したVOCは次のように活用することができます。
商品・サービスの改善
VOC分析の結果、ローンチした商品やサービスの改善点が見えてくることがあります。これをもとに商品やサービスを改善したり新商品に活かしたりすることができます。問題が改善された新商品は、これまで以上にお客さまを満足させられることでしょう。
営業ツール
VOCを表やグラフとして資料化すれば、営業ツールとしても活用できます。なぜなら顧客に対して外部からのデータを並べて話をするよりも、自社で実際に収集した生のデータをもとに説明したほうが説得力が増すからです。
社員の満足度・モチベーション向上
お客さまの声を収集・分析するVOC分析は今や顧客満足度向上には欠かせないものですが、働く社員の満足度向上にも大きな効果が期待できます。VOCの収集により、労いや感謝の言葉、商品・サービスの使用をきっかけとした心温まるエピソードなど、これまで目にすることのなかったポジティブな意見に触れられることがあります。電話やメール、SNSなどさまざまな接点に寄せられたお客さまの生の「ありがとう」は社員のやりがいを醸成し、モチベーションの向上にもつなげられます。
そしてポジティブな意見があればこそ、商品・サービスへのクレームや企業活動へのお叱りの声などのネガティブな意見にも真摯に向き合うことができ、気持ちを引き締めて改善に取り組めるはずです。VOCをもとにした商品・サービスの改善を行うことで、クレームをもっていた当の顧客を満足させることができますし、よりファンを増やすことにもつながります。そうすることで、さらなるポジティブな意見も得られるでしょう。こうした好循環は優秀な人材の注目を集め、採用希望者も増加します。企業がより良いサイクルで成長することができるのです。
ただし少数のネガティブな意見に囚われてむやみに商品・サービスを変更してしまうと、ポジティブな意見をもつほかの顧客にとっては「改悪」になりかねません。VOCに寄せられる意見を公平に見極めて対処しなければ、不満を次々と生み出してしまうことになります。加えて、コールセンターのオペレーターは顧客からしつこく叱られたり、理不尽なクレームに何度も対峙したりしていると心身ともに疲弊してしまいます。やがては退職する恐れもあるでしょう。社員の減少がほかの社員の負担となって業務効率が落ちると、さらなるネガティブ意見を生み出してしまう可能性もあります。VOCの意見すべてを鵜呑みにするのではなく、適切に判断し改善につとめることが重要です。
このようにVOCの活用は社員のモチベーションに作用し、企業の成長にも深く関わっているのです。
コールセンターにおけるVOC分析の進め方
VOC分析は現代の企業にとって重要な意味をもちます。ここでは具体的なVOC分析の進め方をご紹介します。
1.目的を明確化する
VOC分析において最も重要なのは目的を明確化することです。「何のために、どのような情報を集めて分析を行うのか」を決める必要があります。目的を明確化すれば、必要な情報や分析の手法などを絞り込むことができます。
商品・サービスの開発、改善をしたい
目的が「商品・サービスの開発、改善をする」という場合は、「顧客が今のサービス・製品に対して抱いている不満や要望」のVOCに絞って分析をすることで、実際はどのようなサービス・製品が求められているかを探っていくことができます。
また、今のサービスの改善が目的の場合、なぜ改善したいのか、というのも明らかにしましょう。
● そもそも顧客が獲得できない
● 新規顧客は来るけれど、リピーターがいない
この後の、選択するチャネルや、抽出するキーワードに関わってきます。
新規顧客を獲得したい
目的が「女性の顧客が多いので、男性層も開拓したい」という場合は、男性のVOCと女性のVOCの違いを比較することで、男性ならではのニーズが見えてきます。
漠然と新規顧客の獲得とするのではなく、新しいターゲットはどんな層なのか、という視点も含むとより具体的に、どのようなVOCが必要なのかが分かります。独身女性から、既婚女性へターゲット層を広げたい場合も、子供がいるのかという観点や両親と同居しているか、アウトドア派かインドア派かという側面でも情報収集するチャネルや方法が変わってくるでしょう。
2.社内体制の設計を行う
次に進め方の1で明確にした目的に沿って、社内体制の設計を行います。
● 活動推進体制の設計(情報の収集チャネルを決める)
● 収集した情報の蓄積や管理をする方法を決める
といったことです。
たとえば「リピーターが増えないためサービスの改善をしたい」という場合は、コールセンターへの問い合わせから不満や要望を抽出する、解約の理由のアンケートを取る、といった選択肢があります。
ここで役に立つシステムを後述しているため、参考にしてください。
2.システムの導入
VOC分析は人の手で行うこともできますが、より効率的で高精度な分析が可能なシステムを利用するのが一般的です。コールセンターシステムやCRMなどのシステムを導入することで多くのVOCを収集でき、リアルタイムで管理・分析することができます。自社の体制や規模、そして目的に合わせたシステムを選定しましょう。
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全通話録音機能
コールセンターに電話をかけた際に、自動音声で「この通話は、お客さま対応の品質向上のため録音させていただきます」というアナウンスが流れることがあります。これは、コールセンターシステムの「全通話録音機能」によるものです。
コールセンター向けCRMシステムの楽テルは、こういった全通話通話録音機能等を有しているCTIシステムと連携してご利用頂くことも可能です。
コールセンターで行われる顧客との会話には、その端々に本音が隠れていることがあります。通話録音をVOC分析に活かすことができれば、客観的視点から顧客の本心や隠れたニーズなどを発見しやすくなるでしょう。
通話内容の文字起こし機能
コールセンターでは、「後処理」といって顧客との通話の後にオペレーターが要件や対応内容などを記録しています。この後処理は、オペレーターの会話の内容をまとめる力や文章力などのスキルを要し、意外と労力がかかるものです。それだけでなく、個人の主観による認識のズレや情報漏れなどによって顧客の本音を十分に記録できないという懸念もあります。
VOC分析のためとはいえ、顧客との通話のすべてをモニタリングしたり録音を聞いたりするのは、応対した時と同じだけの時間がかかるので現実的ではありません。
「通話内容の文字起こし機能」なら自動的に会話の内容をテキスト化することができます。この機能を使用すれば、後処理の際の記録作業やVOC分析の資料に活用できるので、大幅な効率化が期待できます。
自動集計・分析機能
自動録音や文字起こし機能などで収集された「お客さまの声」は、CRMシステムの自動集計・分析機能によって統計化できます。年齢や性別、エリアなどの属性や嗜好といった客層ごとにデータを集計し、ニーズを分析することも可能です。
コールセンター向けのCRMシステムである楽テルは、この自動集計・分析機能にも長けています。運用するほどに顧客の声のデータベースが蓄積されていくので、VOC分析にも役立つでしょう。
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3.運用
最後に、実際に導入したシステムの運用を開始します。常にVOCを収集し蓄積し続けることによって、さらに分析の精度を高めることができます。VOC分析は一時的に行うのではなく、継続して運用し続けることが重要なのです。
VOC分析の導入がおすすめの企業
今日では当たり前になりつつあるVOC分析ですが、まだまだ検討段階の企業も多いようです。ここでは、「どんな企業がVOC分析の導入に向いているのか」をご紹介します。
自社の課題を発見・解決したい
「社内による主観的な分析や評価だけでは、自社の課題を見つけることができない」という悩みを抱えている企業は多いのではないでしょうか。顧客の本音であるVOCを分析することで、内部視点では見えなかったさまざまな課題が見えてきます。
課題が明確になれば、当然解決策も明確になります。つまり、VOC分析は社内の課題解決のために非常に有効なのです。
顧客の声を「データ」として活用したい
VOCをデータとして正しく蓄積・分析することで、顧客のリアルな反応がわかりマーケティングやサービスの改善につなげることができます。しかし、漠然と顧客の声は聞こえていても、それを「どのようにデータとして活かせばいいのかわからない」という点は多くの企業が抱えがちな問題です。
システムなどを導入して正確にVOC分析を行えば、顧客の声を「使えるデータ」として蓄積することができ、自社の業務改善や新たな施策に活用することが可能です。
まとめ
今回はVOCについてお話しました。VOCを分析・収集するための方法はいくつかありますが、お客さまの細かなニーズを最もくみ取ることができるのはコールセンターでしょう。システムとの連携を図りながら、お客さまがさらに満足できるようにVOCを活用しましょう。
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記事執筆者情報
楽テルコラム編集部
リスティング広告やFacebook広告の運用、プロダクトサイトのSEOなど、広くWEB施策に携わっています。前職では、世界トップクラスのシェアを誇るCRMシステムの導入支援を通して、様々な企業の業務改善に尽力していました。
楽テルのコラムではコールセンターやインサイドセールスにおける業務効率化・顧客満足度向上などの例をご紹介していきます!
好きな料理は「スパイスカレー」です。