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通話録音の役割とは? 顧客対応における活用方法からシステム選定・注意点などを詳しく解説

通話録音の役割とは? 顧客対応における活用方法からシステム選定・注意点などを詳しく解説

こんにちは!楽テルコラム担当です。

サービス品質の向上のため、顧客との通話録音を実施するコールセンターは多くあります。ルールを守った上で正しく機能を活用すれば、顧客とのトラブル防止やオペレーターのミス防止としても有効です。今回は、通話録音のメリット・デメリットをご紹介します。

コールセンターの業務効率と対応品質の両方を上げるには

電話対応業務における大きな課題である「オペレーターの対応時間」や「オペレーターの対応品質のバラつき」。
これらの課題解決に有効なのが、クラウド型CRM・CTIシステムです。

着信時ポップアップやIVR(自動音声応答)、自動文字起こしなどの機能を活用することで、コールセンター業務の質と両方を、大きく改善できます。

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目次

    通話でのやり取りはトラブルの温床

    仕事で電話を使う機会がない方でさえ、過去に家族や知人と電話で話していて、どちらかの言い間違いや聞き間違い、記憶違いによる誤解やトラブルを経験したことが1度や2度はあると思います。
    面と向かって話すのであれば相手の表情や身ぶりなどの視覚情報も入るため、こういった行き違いは多少なりとも軽減されます。あるいはメールやFAXなどの文面で記録が残っていれば、過去にさかのぼって証拠を確認することができるため安心です。
    ところが通話は、基本的にその瞬間の音声情報だけが頼りなので、一度でも聞き逃したり聞き間違えたりすると致命的な損失を被る可能性があります。
    仮に、手動の通話録音機能がついている電話を使っていて、かつ勘のいい人は、「今から大事な話が始まりそうだ」という瞬間を察知して録音ボタンを押すことができるかもしれません。とはいえ、前後の文脈がない中で第三者が聞いても確実な証拠となるのかは怪しいでしょう。また、のちのち何がトラブルになるのかは誰にも予測できません。そう考えるとトラブル防止のためには手動での通話録音では限界があります。

    コールセンターの全通話録音機能とは

    通話録音とはその名の通り、お客様との会話を録音する機能となります。なぜ通話録音が必要なのかというと

    ◎オペレーターの教育・対応品質の改善に利用するため
    ◎通話内容に関して、顧客とトラブルなどが発生した場合に証拠とするため
    ◎オペレーター側の発言への責任に対する自覚を促し、コンプライアンス意識を向上させるため

    といった背景があります。

    録音には、一般的に通話録音の機能を持ったツールやシステムを利用しており、PBX(音声システム)連動するシステムと、連動しないシステム、最初から一体型のシステムなどがあります。
    これらはコンタクトセンターの規模、内容確認の頻度、他システムとの連携などにより最適な製品の選定が必要です。

    通話録音機能を活用するメリット

    通話録音はコールセンターだけでなく、企業のヘルプデスクにもおすすめの機能です。取り入れることで期待できる6つのメリットをご紹介します。

    1.顧客とのトラブル対策になる

    通話録音機能を活用するメリットとして、顧客とのトラブルのリスクを軽減できるという点があります。電話対応は声のみのやり取りとなるため、些細なミスやすれ違い、聞き間違いが重大なトラブルに発展するケースも少なくありません。その際、通話内容を記録しておくことで、顧客・オペレーターのどちらに非があったのかを正しく判断できます。万が一裁判にまで発展した場合、録音した音声は判断材料として提示することが可能です。

    2.オペレーターの聞き漏らしのリスクを軽減できる

    オペレーターの聞き漏らしなどのミスを防げるというのも、通話録音機能を活用するメリットの1つです。通話中は顧客との会話を専用端末に記録しなくてはならず、入力作業に意識が向くことで重要な情報を聞き漏らしてしまう恐れがあります。その点、あらかじめ録音しておけば後から聞き直すことができるため、万が一の際も問題なく対応できます。

    また、顧客からの要求によっては対応が数回に及ぶケースもあり、毎回同じオペレーターが対応できるとは限りません。前回の対応時とオペレーターが変わった際、情報共有が正しく実行されていないと会話が噛み合わず、クレームにつながってしまう恐れがあります。音声を残しておくことで、顧客の要求を正しく理解し、適切な案内をすることができます。

    3.人材育成の促進・人事評価に役立つ

    通話録音機能は、教育カリキュラムを策定する観点からみても取り入れるべきと言えます。録音した内容を対応したオペレーター本人に聞かせることで、自身の良い点と悪い点を客観的に判断してもらえるため、サービス品質の向上が期待できます。個々で意識することで人材の育成の促進につながり、企業の成長につなげることができるのです。

    他にも、オペレーターを評価する際の材料として活用することもできます。繰り返し再生できる録音データなら、さまざまな視点からオペレーターの対応を分析し、正しく評価することが可能です。

    4.クレーマー対策になる

    通話録音機能を使う場合、オペレーターが電話を取る前に「全通話を録音している」という旨を伝える自動音声ガイダンスを流しましょう。これにより、電話をかけてきた顧客は「自分と相手のやり取りがすべて音声で残っている」と危機意識を持つので、言いがかりのような発言や無茶な要求をセーブするようになります。すべてのクレームが無くなるわけではありませんが、大きな抑止力にはなります。

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    関連記事はこちら全通話録音でトラブル回避?メリット多数の全通話録音についてご紹介!

    5.全社での情報共有ができる

    顧客からいただくお叱りの言葉やお褒めの言葉などを全社で共有すれば、社員にとって戒めとなったりモチベーションを高めることが期待できます。さらに新製品や新サービスの開発につながるヒントが見つかる可能性もあります。

    6.オペレーターの業務効率が上がる

    オペレーターへの精神的な作用も期待できます。全通話録音があることで、これまで一件一件に対して過剰にかかっていた時間やストレスから少しばかり解放される方もいます。安心感が背景にあることで、オペレーターの業務効率向上も期待されます。ひいては応答率の増加や人件費の削減などにもつながるでしょう。

    通話録音機能を活用する際の注意点

    さまざまなメリットがある通話録音ですが、以下のような注意点もあります。

    1.システム導入のコストがかかる

    通話録音機能を利用するには、専用のシステムを導入する必要があるため、コストが発生します。しかし万が一トラブルが起きると、その対応に余計な人件費や工数をかけることになるため、コストのみを考慮して導入を見送るのは適切な選択とは言えません。中には低コストで多機能を利用できるシステムもあるため、予算と照らし合わせながら検討してみましょう。

    2.顧客・オペレーターに心理的負担がかかる

    オペレーターとの通話内容を録音されていることで、過度に緊張してしまう顧客もいると考えられます。顧客の心理的負担を軽減するためにも、サービス品質の向上・改善のための取り組みであることをきちんと説明することが大切です。
    またオペレーター側にも、録音されていることで会話に集中できなくなる方もいると考えられます。緊張からふだんどおりの対応ができなくなり、クレームにつながってしまう可能性もあるため要注意です。事前に録音していることを伝えた上でロールプレイングを実施し、通話録音を利用した運用に慣れさせておくなどの対策がおすすめです。

    コールセンターでの通話録音と法律の関係性

    導入によるメリット・注意点はそれぞれありますが、そもそも「会話を勝手に録音してもよいのか?」「個人情報保護との関係性はどうなのか?」といういった声もあるかと思います。

    そこで、通話録音が法的にどのように捉えられていつのかを少し解説します。

    1.無断での録音は違法とはいえない

    まずはじめに、「顧客との会話を録音することが何かしらの法律に抵触するのか?」という点ですが、結論からお伝えすると、「通話録音することを禁止する法律はない」というのが現状です。しかし録音データの悪用や改ざんは法律に抵触する可能性があるため注意が必要です。

    通話を無断で録音しても、法的に罰せられることはありませんが、一般社団法人日本コールセンター協会(CCAJ)が定めた「コールセンター業務倫理ガイドライン」によれば、「通話録音の目的を具体的に特定して広く公表するか、本人に通知しなければならない」とされており、着信時の自動音声ガイダンスやWebサイトでの公表を通じて、通話が録音されていることを顧客に通知することが推奨されます。

    まとめると、
    ◎「問い合わせなどの通話は録音される」旨をつねに公表しておく
    ◎通話の冒頭で、顧客に「この通話は録音されている」という通知を直接する

    という2点を実施しておくべきでしょう。

    2.個人情報保護の決まりとは

    次に気になるのは、「通話の内容は個人情報にあたるのか否か?」ということでしょう。

    こちらは、「電話での通話において個人を特定できるものであれば『個人情報』に該当する。その場合は『個人情報保護法』に準じた取り扱いをしなければならない」となります。

    国外では、通話録音に関する法律が異なる場合があり、国際的なコールセンター運営では、各国の法律に適応する必要があります。

    対応品質を高めるための活用方法

    上述した通話録音を利用した人材育成ですが、新人オペレーターの研修教材として録音した通話内容は非常に有効なものになります。
    新人オペレーターの教育といえば、先輩オペレーターと顧客のやり取りを隣でモニタリングするという方法が一般的です。しかし時期や時間帯によっては入電数が少なく、待ち時間が多くなることもあるため効率的とは言えません。また、重大なクレームに当たってしまうことで新人オペレーターの不安が煽られ、退職につながるケースもあります。
    その点、通話録音を活かした教育方法であれば時間を有効活用できるのに加え、実際の対応を聞かせて顧客とのやり取りを具体的にイメージしてもらうことができます。短期間で大きく成長できることもあるため、ぜひ取り入れてみると良いでしょう。

    コールセンター向け通話録音システムの選び方

    コールセンター向けの通話録音システムを選ぶ場合、どのような視点を持つといいのでしょうか。ここでは、選ぶべきポイントをご紹介します。

    必要な機能がついているか

    まずコールセンターの課題を洗い出し、その課題が解決できそうな機能がついているかをチェックしましょう。例えば「オペレーターの電話応対の質が悪い」という課題には、通話モニタリング機能が効果的といえます。スーパーバイザーや管理者が各オペレーターのウイークポイントを読み取り、具体的に教育して改善につなげるといった活用ができます。

    外部システムと連携できるか

    通話録音システムの中には、外部のシステムと連携できるものもあります。顧客情報を一元管理する「CRMシステム」と連携すれば、通話相手の氏名や住所、購買履歴といった顧客情報をパソコン画面上に表示しながら話すことができます。さらに、音声認識システムと連携すれば音声データをテキストとして可視化できるので、電話応対品質の向上に役立てることも可能です。
    こちらの記事では音声認識システムを導入するメリットや導入時の注意事項をご紹介しているので、参考にしてみてください。

    関連記事はこちら音声認識システムのコールセンター導入にあたっての注意事項は?

    初期費用のコストをおさえたいならクラウド型を

    通話録音システムには企業内にサーバーを設ける「オンプレミス型」と、インターネットのクラウド上にサーバーを置く「クラウド型」があります。オンプレミス型は、サーバー購入費やスペースの確保、設備工事費といった初期費用がかかります。その点クラウド型は、自社内にサーバーを購入する必要はないので、初期費用をおさえたいならこちらがおすすめです。また、全通話録音機能の実装までに多くの時間や多額の費用もかからないため、実装へのリスクが少ないのです。

    手間なく録音したいならPBXと連動するシステムを

    通話録音システムには「オンプレミス型/クラウド型」のほかに、PBX(Private Branch Exchange, 音声システム)と連動するタイプと非連動のタイプがあります。PBXと連動するシステムは、通話開始と同時に自動的に録音を開始します。他システムとの連携により、通話内容の確認が容易にできるのが特徴です。一方、非連動のタイプのシステムは、ヘッドセットとPBXの間で通話を録音しますが、他のシステムとの連携がないため、内容確認などの運用時に手間が発生しやすいです。また、最近はクラウドPBXのような、PBXと録音機能が一体化したシステムもあり、さらなるコスト効率と柔軟性の向上が見込めます。

    通話録音機能の活用で顧客満足度アップを狙う

    通話録音機能を取り入れることで、トラブル防止や聞き漏らしリスクの軽減、人材育成のなどさまざまなメリットが期待できます。なお顧客に無断で通話を録音することは禁止されており、通話前にアナウンスでその旨を伝える必要があります。ルールを把握して正しく活用し、サービス品質の向上に努めましょう。
    「電話対応の品質を高めたい」「電話対応や教育にかける時間を短縮したい」など、電話対応に関してお悩みの企業は、ぜひ参考にしてみてください。

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    記事執筆者情報

    楽テルコラム編集部

    リスティング広告やFacebook広告の運用、プロダクトサイトのSEOなど、広くWEB施策に携わっています。前職では、世界トップクラスのシェアを誇るCRMシステムの導入支援を通して、様々な企業の業務改善に尽力していました。
    楽テルのコラムではコールセンターやインサイドセールスにおける業務効率化・顧客満足度向上などの例をご紹介していきます!
    好きな料理は「スパイスカレー」です。