コールセンターでの人事評価の基準と評価方法は?評価シートの具体例も紹介
こんにちは!楽テルコラム担当です。
コールセンターにおける適切な人事評価のためには、基準となる指標を理解して活用することが大切です。今回は、コールセンターでの人事の役割や優秀な人材の特徴、評価のポイント、基準となる指標を解説します。評価シートの例も、あわせて確認していきましょう。
コールセンターの業務効率と対応品質の両方を上げるには
電話対応業務における大きな課題である「オペレーターの対応時間」や「オペレーターの対応品質のバラつき」。
これらの課題解決に有効なのが、クラウド型CRM・CTIシステムです。
着信時ポップアップやIVR(自動音声応答)、自動文字起こしなどの機能を活用することで、コールセンター業務の質と両方を、大きく改善できます。
クラウド型コールセンターCRMシステム「楽テル」資料請求はこちら(無料)
目次
コールセンターにおける人事の役割
コールセンターにおける人事の役割は、仕事ぶりの適切な評価やフォロー、フィードバックを行うことなどです。オペレーターの対応を適切に評価することで、モチベーションの向上やスキルアップにつながります。モチベーションがあがると、オペレーターの能力を発揮しやすくなり、仕事にやりがいを感じられるようになります。
リーダーや管理職、企業全体にとっては、オペレーター一人ひとりの生産性が向上することでコールセンター全体として生産性の向上や業績の向上が期待できます。またこれにより、オペレーターの離職防止にもつながるでしょう。
コールセンターの優秀な人材とは?
人事評価の方法を紹介する前に、どのような特徴を持つ方がコールセンターにおいて優秀な人材かを確認します。
コールセンターにおける優秀な人材の特徴は、以下のとおりです。
- コミュニケーション能力がある
- きめ細かい対応ができる
- 事務処理能力が高い
- 素早く柔軟に問題を解決できる能力がある
- PDCAを回して業務を改善していける
多種多様な問い合わせやクレームなどへの対応が必要となるコールセンターでは、とくにこれらの能力が重視されます。
人事評価をする際のポイント
コールセンターにおける人事評価は、業務内容や企業として求めるものなどによって重視すべきポイントが異なるものです。
それでは、オペレーターを評価する際に気をつけるポイントを確認しましょう。
自社にあった評価基準を選ぶ
コールセンターの業務には、インバウンド型やアウトバンド型といった種類があります。また、企業によっても満足度を向上させたいのか、売上を伸ばしたいのかなど、重視しているポイントが違うものです。
人事評価をする際は、業務内容や企業が重視することに応じて評価すべき内容が異なるため、自社にあった評価基準を選んで評価するようにしましょう。
絶対評価を使う
コールセンターにおける人事評価は、相対評価ではなく絶対評価を使うことがポイントです。絶対評価は、あらかじめ定めた評価基準にのっとって評価するため、評価者などにかかわらずそれぞれの努力をしっかりと評価できます。
また、評価基準を数値で示すことで、評価に差がなく公平性を保った状態で判断可能です。自身の改善点が理解しやすく、努力の評価をしてもらいやすいため、オペレーターのモチベーションアップにつなげられます。
オペレーターに評価の基準を示す
評価基準を策定したら、その内容をオペレーターに周知することもポイントです。評価内容をあらかじめ周知することで、オペレーターが評価基準を意識しながら業務を行いやすくなります。オペレーターが周知した基準における高評価を目指すようになり、業務効率の改善やオペレーターの意欲向上が期待できるでしょう。
また、オペレーターの良かった点や改善点などをしっかりとフィードバックすることも重要です。
コールセンターの人事評価の方法
コールセンターでオペレーターを評価する基準は、大きく分けると以下のとおり3つの種類があります。
- パフォーマンス(生産性)の評価方法
- クオリティ(応対の品質)の評価方法
- プロフィット(収益性)の評価方法
どれか一つではなく、これらすべてをバランス良く評価することがポイントです。
パフォーマンス(生産性)の評価方法
パフォーマンスを評価する指標には、応答率・稼働率・占有率・コール数・平均応答速度などの種類があります。
パフォーマンス(生産性)とは
そもそもパフォーマンスの評価とは、コールの処理効率を確認するものです。処理にかかる時間や稼働率など、オペレーターごとのパフォーマンスの差が評価されます。
パフォーマンス(生産性)の評価指標
それでは、パフォーマンスの各評価指標の特徴や算出方法などを確認していきましょう。
応答率
応答率とは、掛かってきた電話の本数に対し、オペレーターが対応できた割合のことです。主にインバウンド型のコールセンター業務で用いられる評価指標で、応答率が高いほど電話がつながりやすいことを表しています。
応答率を算出する計算式は、「対応呼数÷総着信件数×100」です。
稼働率
稼働率とは、給与が生じる時間のうちの顧客対応をしていた時間の割合を指します。
「顧客対応にかかった時間(会話時間+後処理時間+待機・保留時間)÷給与支払時間」の計算式で算出可能です。対応時間は、会話だけではなく後処理や待機・保留していた時間も含みます。
占有率
占有率とは、稼働時間に対して、どれほどの割合で顧客対応していたかを表します。
「通話処理時間 ÷(通話処理時間+待機時間)」の計算式で算出可能です。
コール数
オペレーターが1時間に何件のコールを受けていたかを表す指標がコール数です。「Call Per Hour」を省略し、CPHとも表現します。
「1時間÷平均処理時間」の計算式で算出できます。
平均応答速度
コールし始めてからオペレーターが応答するまでの平均時間が、平均応答速度です。同様のことをASAとも表記します。
「(全通話時間+全保留時間)÷通話の処理件数」を計算すると、平均応答速度が求められます。
サービスレベル
サービスレベルは、あらかじめ設定した制限時間内に応答できた割合のことです。主にインバウンド型のコールセンター業務で用いられる指標です。
サービスレベルは、「規定時間内に応答できた件数÷総着信件数」の計算式で算出できます。
SLともいい、算出した割合を表記する際に使います。たとえば、「SL=50/60」と表記すると、「60秒以内の応答率は50%である」という意味です。
平均通話時間
平均通話時間とは、顧客との通話時間の平均のことです。
ATTとも表記し、「総通話時間÷総コール数」の計算式で算出可能です。
平均処理時間
平均処理時間は、顧客一人あたりにかかった対応時間のことで、AHTと表すこともあります。
「(総通話時間+総後処理時間)÷通話処理件数」の計算式で算出可能です。
初回コンタクト解決率
初回コンタクト解決率とは、初回の電話だけで案件を解決できた割合を指します。これは、主にインバウンド型のコールセンター業務で用いられる指標です。
「初回に解決できた件数÷総通話処理数」で算出できます。
クオリティ(応対の品質)の評価方法
クオリティ(品質性)の評価方法は、主にインバウンド型のコールセンター業務で用いられています。クオリティの評価指標は、ミス発生率・一次解決率・保留率などです。
クオリティ(品質性)とは
クオリティに関する評価とは、顧客への対応の良し悪しを判断する基準のことです。知識を持ったスタッフがオペレーターに対して実施するモニタリングスコアの評価なども、クオリティに含みます。
クオリティ(品質性)の評価指標
それでは、クオリティの各評価指標の概要や計算方法を確認しましょう。
ミス発生率
ミス発生率とは、オペレーターの対応ミスが発生した割合のことです。
「ミスの総発生数÷総通話処理数×100」の計算式で算出できます。
一次解決率
一次解決率とは、1回の応対だけで問い合わせを解決できた割合のことで、FCRと表すこともあります。
一次解決率は、「1回の電話で解決したケースの総数 ÷ 着信総数 × 100」の計算式で算出可能です。
保留率
保留率とは、電話が保留状態になった時間の割合のことです。保留状態で顧客を待たせている時間の割合が多いほど、保留率が高くなります。
保留率は、「全体の保留時間÷総処理時間」で算出可能です。
プロフィット(収益性)の評価方法
プロフィット(収益性)の評価方法は、売上・利益貢献やCPCなどがあります。主にアウトバウンド型のコールセンター業務に用いられることが多い評価指標です。
プロフィット(収益性)とは
プロフィットに関する評価とは、企業の収益にかかわる指標です。売り上げに直接結びつくため、企業ではとくに重視されやすいポイントでしょう。とはいえ、プロフィットを含めた3つの評価方法は、どれかの評価のみに偏りすぎず、バランスをとることが大事であると理解しておきましょう。
プロフィット(収益性)の評価指標
それでは、プロフィットの各評価指標の概要やその計算方法を確認します。
売上・利益貢献
プロフィットの判断のために、直接的な売上や利益への貢献を目標にするケースがあります。売上・利益貢献の指標は、企業によって評価方法は異なるものです。
また、通販などのコールセンターにおける受注率の指標などもあります。受注率とは、受注につながったコール数の割合を表す指標です。
受注率は、「応答した電話のなかで、受注につながったコール数」で算出できます。
CPC
CPCとは、1コールにかかるコストのことです。「月間の運用コスト÷総処理件数」で算出できます。運用コストのなかには、オペレーターの人件費やシステム費用、通信費、オフィスの賃料などが含まれます。
コールセンターの評価シート例
実際にコールセンターの人事評価をする際に使われる、評価シートの例を紹介します。
項目 | 評価内容 | 採点(1~5点) | 平均点 |
---|---|---|---|
第一声と挨拶 | オペレーターが応対し始めた際の挨拶は適切か | ||
用件の確認 | 顧客の用件をきちんと把握できているか | ||
不明点の確認 | 終了時に不明点がないかの確認をしているか | ||
電話終了時の挨拶 | 電話終了時の挨拶は適切か |
このように、評価する項目と該当者の話し方などの採点をする欄、平均点を記入する欄などをつくります。実際の応対で録音しておいた音声などを確認して、基本の挨拶や基本応対、聞くスキル、話すスキル、問題解決力などを判断します。オペレーターが参考にできるよう、良かった点や改善点を記入する欄も作りましょう。
まとめ
コールセンターにおいて、人事評価を適切に行い、フォローやフィードバックをすることは、オペレーターのモチベーションの向上やスキルアップにつながります。
コールセンターにおける優秀な人材の特徴は、「コミュニケーション能力があること」「きめ細かい対応ができること」などです。また人事評価の際は、自社にあった評価基準を選び、評価者などにかかわらずそれぞれの努力を評価可能な絶対評価を用いましょう。
今回ご紹介したポイントをもとに、より適切な人事評価ができるように理解度を深めましょう。
最新記事
記事執筆者情報
楽テルコラム編集部
リスティング広告やFacebook広告の運用、プロダクトサイトのSEOなど、広くWEB施策に携わっています。前職では、世界トップクラスのシェアを誇るCRMシステムの導入支援を通して、様々な企業の業務改善に尽力していました。
楽テルのコラムではコールセンターやインサイドセールスにおける業務効率化・顧客満足度向上などの例をご紹介していきます!
好きな料理は「スパイスカレー」です。