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コールセンターの応答率をエクセルで分析する方法

コールセンターの応答率をエクセルで分析する方法

こんにちは!楽テルコラム担当です。

コールセンターを管理するスーパーバイザー(SV)のような管理者は、コールセンター全体のマネジメントのほか、オペレーターなどコールセンターで働くスタッフの管理や育成も行わなければなりません。そこでコールセンタースタッフのマネジメントにおいて必要となるのは、客観的に分析できる「相関分析」という指標です。今回はコールセンターの相関分析をエクセルで作成する方法と、合わせて行うと効果的な分析方法も併せてご紹介します。

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目次

    相関分析とは

    相関分析とは、任意の2つのデータの関係性の強さ(弱さ)を数値化して分析する方法のことです。コールセンターだけではなく、様々な業種や業務にも利用可能です。分析結果で得られた客観的なデータを判断材料に評価や対策をすることができるので、人事評価のほか、マーケティングや業務改善、経営判断にも活用可能です。

    とくにKPIの設定において、様々なデータの関係性を分析できる相関分析は有効です。KPI(Key Performance Indicator)は「重要業績評価指標」という意味を持っていますが、わかりやすくいえば「中間目標」です。コールセンターでいえば、オペレーターの「1日の電話応対数」をKPIとして掲げることで、共通の目標・指標となり、業務改善や人事評価がしやすくなります。

    なお、コールセンターの管理者に向けたKPIの重要性については、以下の記事を参考にすることをおすすめします。
    コールセンターのKPI5選とKPI設定のポイント5つについて解説します!

    相関分析の作り方

    相関分析は、エクセルで簡単に作ることができます。今回は例として、オペレーターの「在籍期間」と「1日の電話応対数」の相関関係を分析対象とします。

    相関分析の作り方

    まずは上画像の表①のように、各オペレーターの「在籍月数」と「1日の電話応対数」を入力します。

    次に、表①を「散布図」にします。
    表①よりグラフ化したい範囲を選択し、「挿入」タブのグラフを選択して「散布図」の左上にある点だけのものをクリックします。すると、②のような「散布図」が自動化されます。

    最後に、相関係数「R-2乗値」という③の数値を表示します。

    グラフ②を選択してアクティブ状態にし、「グラフ要素を追加」→「近似曲線」→「その他の近似曲線オプション」の順で選択していきます。そして「近似曲線の書式設定」が表示されたら、最下部の「グラフにR=2乗値を表示する」を選びます。すると、相関係数である「R-2乗値」がグラフに自動計算されて表示されます。これで相関分析の作成は完了です。

    「R-2乗値」では、相関の度合いが「0~1の数値」で示されます。相関係数値が0に近いほど2つのデータの相関が弱く、1に近いほど相関が強いことを意味します。よって中間にあたる「0.5」を目安とするのがいいでしょう。

    上のグラフでは、「0.2838」が相関係数値にあたるため、相関の度合いは「非常に弱い」と分析できます。すなわち、オペレーターの「在籍期間」と「1日の電話応対数」は「あまり関係がない」ということが、客観的な分析結果をもとに判断できるのです。

    新機能:アイデアを活用して分析を行う

    前述したエクセルの相関分析の方法は、相関関係を分析する対象がはっきりとわかっている場合に使えます。しかし、自分が想定できる切り口だけでは予定調和の分析結果になりがちで、新企画や改善策のアイデアに行き詰まってしまうことがあります。

    そんな方には、エクセルのオートメーション機能を使ってデータ分析のアイデアを得ることをおすすめします。その名も「アイデア」という機能で、エクセルに搭載されているAIが自動分析し、様々な相関分析データを円グラフや折れ線グラフなどで視覚化してくれます。想定外の視点からの相関分析は、業務改善の斬新な方針や新しい商品・サービスのアイデアにつながることもあります。

    なお、このアイデア機能はOffice 365のサブスクリプションを購入しているユーザーのみ使用できます。

    「アイデア機能」なら様々な分析結果がスムーズに得られる

    様々な相関分析を自動化してくれる「アイデア機能」は、操作方法も簡単です。

    「ホーム」をクリック→「アイデア」をクリックするだけで、自動的に表全体が選択され、データ分析が始まります。そうすると分析結果が表やグラフになって画面右側の「アイデア」作業ウィンドウに羅列されます。

    ここで得られる表やグラフは、分析もととなる表データの内容や形式によって変わります。入れ子構造やセルの結合は使わず、シンプルなテーブル形式の表にしておくとエラーが起きずスムーズです。

    アイデア機能で生成される表やグラフの中でも「ピボットグラフ」と呼ばれるものは、後で編集や加工ができます。自分の目的に近いものを選んで加工すれば、これまでにない分析レポートが作成できるでしょう。

    「データは集まったけど活用方法が見つけられない」「いつも同じ切り口の相関分析だからデータを集める意味がないのでは?」とデータ分析の切り口に悩んでいるなら、ぜひこのアイデア機能を使ってみてください。

    相関分析とモニタリングを掛け合わせよ

    ここまで、客観的に分析ができる相関分析についてご紹介しました。しかし相関分析だけを頼りに業務改善や人事評価をすることは、おすすめできません。なぜなら、定量的な「数字」だけでは分析できないこともあるからです。たとえば、コールセンター内でもっとも電話を応対しているオペレーターが、クレームこそ少ないものの、言葉遣いに問題がある可能性もあります。

    このような定性的な部分を管理するためには、スーパーバイザーがオペレーターと顧客のやり取りを実際に聞く「モニタリング」はもちろん、顧客を装ってオペレーターの応対を確認する「ミステリーコール」の実施も1つの解決策として考えられます。全体のサービスの質をあげるのであれば、管理者の時間と労力の許す範囲で、研修やトレーニングを実施しても良いでしょう。

    このように、相関分析だけでなくモニタリングなどの分析も行った上で改善策を検討・実行することが重要です。

    相関関係の事例

    ここでは、相関関係についての事例を2つご紹介します。

    事例1:新人オペレーターと応答率の相関関係について

    あるコールセンター で、「応答率があがらない」という課題がありました。

    オペレーターの数は入電数に対して足りており、比較的ベテランのオペレーターも多く在籍している環境です。そのため管理者は、新人オペレーター教育が行き届かずにスキル不足になっていることに原因があるのではないかと推察していました。

    それを確かめるために、「在籍期間」に対する「通話・保留・後処理の各時間」の相関分析を行いました。結果としては、在籍期間と業務の処理時間の間には限りなく0に近い相関値が計上されました。

    つまりキャリアは処理時間と相関がないということになり、「新人のスキル不足がコールセンター全体の応答率を下げている」という管理者の推察は外れているということになります。このことから、オペレーター教育は全ての人員を対象とすることに方向転換をしたそうです。

    事例2:ビールと水難事故の相関関係について

    次は、「ビールの売上が伸びた年は、水難事故の件数が増える」という事例です。これは、2つに相関関係はあるが直接的な因果関係はないという「擬似相関」と呼ばれる有名な例え話です。

    猛暑の年は、ビールが欲しくなる人と水辺のレジャー人口が増えるというデータが取れます。

    「気温が高い」ことがこの相関関係を生んでいますが、「ビールの売上増が水難事故の件数をあげている」というような直接的な因果関係はありません。

    これらの2つの事例から見受けられるのは、課題の原因を探る際に主観や常識に頼りすぎても、相関分析の数値を信じすぎても、いずれも判断を見誤るということです。思い込みをせず、そして数値を鵜呑みにもせずに「課題解決につながる根拠となっているか」をしっかり見極めることが重要です。

    コールセンターに特化したCRMの導入という方法も

    コールセンターの管理者がマネジメントをするうえで、データを算出する「相関分析」やモニタリングなどのデータでは測れない分析を掛け合わせて判断することが重要です。

    このような分析をする上でおすすめなのが、「コールセンターシステム」と呼ばれる業務改善システムの導入です。たとえば、CRM(Customer Relationship Management)システムがそれにあたります。CRMシステムとは、顧客の情報を効率良く蓄積できるだけでなく、集めたデータを用いて様々なマーケティングの施策に活用することができるシステムです。また、オペレーターが入力したデータから自動的に集計・分析を行うことができるシステムが多いので、分析業務の工数削減にも役立てることができます。「顧客関係管理」に特化したこのシステムを導入することで、業務は大幅に効率化され、将来を広く見据えた分析が可能となります。また、データの効率的な使用により、サービスの質の向上も期待されます。

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    記事執筆者情報

    楽テルコラム編集部

    リスティング広告やFacebook広告の運用、プロダクトサイトのSEOなど、広くWEB施策に携わっています。前職では、世界トップクラスのシェアを誇るCRMシステムの導入支援を通して、様々な企業の業務改善に尽力していました。
    楽テルのコラムではコールセンターやインサイドセールスにおける業務効率化・顧客満足度向上などの例をご紹介していきます!
    好きな料理は「スパイスカレー」です。