2019/04/26
カスタマージャーニーマップの作り方! メリットと事例もご紹介

こんにちは!楽テルコラム担当です。
コールセンターにおいて顧客満足度を高めるためには「カスタマージャーニー」を意識することが大切です。細かく設定していくことで上質な対応を実現できます。今回はカスタマージャーニーの概要や注目されている理由、事例、カスタマージャーニーマップ作成によるメリットをご紹介していきます。
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目次
顧客満足度の向上につながる!カスタマージャーニーとは
カスタマージャーニーとは、顧客が商品、サービスを認知し興味関心を持ったのち、実際の購入や利用に至るまでの動きを「旅(ジャーニー)」に喩えたマーケティング用語です。顧客はどんな経緯でその商品、サービスの認知したのか、どんなきっかけで購入・利用を決めたのかなどの点を定義することによって、顧客に寄り添った施策の打ち出しにつながります。
例えば洋服なら、「SNSで同年代の女性の間で流行していることを知る」→「インターネットでその洋服に関する情報を集める」→「お気に入りのブランドで販売されていることを知る」→「お気に入りのブランドのECサイトで商品情報を確認する」→「ECサイトで注文する」といった動きが考えられます。
カスタマージャーニーをコールセンターに取り入れる場合は、「顧客は電話をかけてくるまでにどういった過程を経たのか」を考慮して対応することが不可欠です。なぜ電話をかけてきたのか、なぜクレームにつながったのかといった点を分析し、顧客が通ってきた過程を俯瞰することで適切な対応を実現でき、結果として企業における顧客満足度の向上が期待できます。
関連記事はこちらカスタマーサクセスとは?カスタマーサポートとの違いや成功の3つのポイントをご紹介
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カスタマージャーニーマップを作成するメリット
カスタマージャーニーマップとは、カスタマージャーニーを把握しやすくするために、顧客行動を見える化したものです。作成するメリットには、例えば以下の3つがあります。
顧客接点のレベルを高められる
カスタマージャーニーマップの作成によって、社内全体で顧客行動への共通認識を持つことができるようになります。部署間による認識のズレを防げるのはもちろん、コールセンターをはじめとする顧客接点の把握にもつながるため、企業におけるコンバージョン率の向上に役立てることが可能です。
例えば、上記でご紹介した洋服の例の場合、顧客接点はECサイトのみです。ひとりでも多くの顧客をコンバージョンにつなげるためには、ECサイトを通して顧客に安心感や満足感を与える必要があります。そこで考えられる施策には、例えば「ECサイトの使い勝手を良くする」「ECサイトの情報を充実させる」などが挙げられます。これらの実践によって顧客接点の質の向上ができ、結果として購入・利用につながりやすくなるのです。
コールセンターは、企業における顧客接点のひとつです。カスタマージャーニーマップを作成すれば、どのような電話対応を行えば良いか、オペレーターはどれほどの情報を把握しておくべきかなどを明確にできるので、結果として対応レベルの向上が期待できます。
企業における問題を発見できる
顧客がひとつの企業に対し抱く満足度は、必ずしもコールセンターの対応で決まるわけではありません。企業の顧客接点にはコールセンターをはじめ、Webサイトや広告、店舗などがあり、これら全てを含む総評が満足度を左右します。そのため、いくらコールセンターで上質な対応を行っても他の接点で顧客が不満を感じた場合は、企業に対する満足度が低くなる可能性があるのです。
こうした事態を防ぐ上で役立つのが、カスタマージャーニーマップです。例えば、コールセンターにクレームの電話がかかってきた場合、カスタマージャーニーマップがあればどの過程でクレームにつながる出来事が起きたのかを予想しやすくなります。また、その過程に関係している部署にクレームの内容を共有しやすくなるので、早急にクレームの原因を改善することが可能です。
カスタマージャーニーマップはコールセンターのみならず、社内全体における問題を明確にし、それを改善する上で大いに役立ちます。ひとりでも多くの顧客に満足してもらうためにも、カスタマージャーニーマップは積極的に作成することをおすすめします。
問題に対する改善策を考えやすくなる
上記でもご紹介したように、カスタマージャーニーマップは顧客行動を見える化したものです。そのため施策検討の際に活用すれば、「顧客の悩みは何か」「顧客はどういう商品・サービスに興味を示すか」などと、顧客目線で物事を考えることが可能となります。これはコールセンターにおいても同様で、「顧客はどんな情報を求めているのか」といった点の考慮ができ、結果として適切な対応を実現できます。
また、カスタマージャーニーマップを通して顧客目線をもつことは、問題に対する改善策を立案する上でも効果的です。例えば、上記でご紹介した洋服のカスタマージャーニーを定義したのにもかかわらず、店舗での販売活動に注力している場合、顧客目線での施策をできていないという問題が浮き彫りになります。なぜなら、顧客接点はECサイトであり店舗ではないためです。カスタマージャーニーマップがあることで、「どこに注力すれば良いのか」を明確にすることができ、顧客のことを第一に考えた改善策を導き出しやすくなります。
カスタマージャーニーマップが注目される理由
近年、カスタマージャーニーマップに注目が集まっているのは、主に3つの理由があげられます。
スマートフォンの普及
多くの人々の生活に、スマートフォンは欠かせないものとなってきています。総務省の発表によると、2018年の個人のスマートフォン保有率は64.7%に上ります。
時間や場所にとらわれずインターネットにアクセスが可能となってきたことから、従来の店頭販売だけでなく多様な場面で顧客との接点が生まれました。その結果顧客行動が複雑化し、これまでのマーケティング手法では分析が難しくなりつつあります。こういった状況から、顧客行動を細かに想定したカスタマージャーニーマップの考え方が求められるようになりました。
参考:令和2年情報通信白書
SNSメディアの浸透
前出の総務省のデータでは、2018年の個人のSNS利用状況は60%でした。FacebookやInstagramなどの有名なSNS以外にも、数え切れないほどのソーシャルメディアが世の中に誕生しています。
SNSの投稿をきっかけに商品購入に至ることは、もはや意外な行動ではありません。実際には会ったことのないSNS上の友達がすすめる商品に興味を持って購入したことがある場合はもちろん、購入まで至らずとも興味を持った、商品について調べたという経験は誰もがあるでしょう。このことからも、カスタマージャーニーマップが注目されているのです。
サイト分析ツールの高精度化
カスタマージャーニーマップを有用なものにするには、想定した顧客行動を裏付ける根拠が必要です。
Webサイト上での顧客行動を分析するWebマーケティングは、情報通信の進化とともに高精度化しており、サイト分析ツールで得た数値はカスタマージャーニーマップにも生かせることから、近年注目が高まってきているものと考えられます。
カスタマージャーニーマップの作り方
ここでは、カスタマージャーニーマップをつくる際の大まかな流れをご紹介していきます。
1.ペルソナの設定
はじめは想像でも構わないので、ペルソナ=ターゲットの人物像をなるべく細部まで具体的に決めましょう。この作業は、カスタマージャーニーマップをつくるにあたり「顧客がどんな心理でどんな行動を起こすか」を記入する際の根拠となる重要なステップです。
2.仮説の設計
次に、カスタマージャーニーマップの骨格を組み立てます。先ほどの「洋服の購入」の簡易的な例を見ていきましょう。
横軸には顧客が洋服に興味を持つところから購入まで、縦軸には顧客の行動、また、思考・感情からみえてくる現状課題を置きます。ここに当てはめていきながら仮説を設計します。
3.顧客とともに仮説を検証
仮説の検証をするステップです。なるべく実際の顧客に参加してもらうのがベストですが、難しい場合は顧客アンケートによる検証でもいいでしょう。企業が顧客の立場に立ったつもりで考えた仮説と、実際の顧客の声は違っていることも多いものです。本当の意味の顧客目線で整理をしていきます。
4.完成
検証した内容を、カスタマージャーニーに書き込んでいきます。文字ばかりで書いていくのではなく、顧客の感情表現には顔の絵文字を入れるなど、イラストや図なども交えるとより視覚的にもわかりやすくなります。
カスタマージャーニーマップの事例をご紹介
ここでは、カスタマージャーニーマップの事例として国内のものをご紹介していきます。
参考:Techbook
事例1:就活生自らがつくった「就職活動」のカスタマージャーニーマップ

顧客の当事者である就活生がワークショップ形式でカスタマージャーニーマップを制作した事例です。「就活スタートから入社が決まるまで」の時系列の中で、行動したことや感じたことなどを当てはめながら構築されています。実体験に基づくリアルな内容となっており、非常に信ぴょう性のあるマップだといえます。
出典:impress
事例2:温泉旅館の「Webサイトリニューアル」のカスタマージャーニーマップ

ファミリー層をメインターゲットとした温泉旅館の、Webサイトのリニューアルにあたり作成されたものです。旅行にまつわる意思決定をする夫婦それぞれの感情や行動を想定して構築し、現状のサイトの改善点を見出しています。
出典:demo
まとめ
コールセンターにて、カスタマージャーニーを意識して電話対応することは、顧客満足度のアップにつながります。また顧客接点のレベルを高められたり、企業における問題を発見しやすくなったりと、さまざまなメリットを得ることも可能です。「電話対応の質があまり良くない」「顧客満足度が低迷している」という企業は、ぜひこの機会にカスタマージャーニーマップを作成してみてください。
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記事執筆者情報
楽テルコラム編集部
リスティング広告やFacebook広告の運用、プロダクトサイトのSEOなど、広くWEB施策に携わっています。前職では、世界トップクラスのシェアを誇るCRMシステムの導入支援を通して、様々な企業の業務改善に尽力していました。
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好きな料理は「スパイスカレー」です。